2002-02-10 (日)

今日は日曜出勤でしたが、仕事全然はかどりませんで帰ってきました、、、、明日も出勤か(T_T)

[顧客の顧客]

価格の話を書いてきましたが、価格、コスト、品質いずれを改善しても売上がなければ意味がありません。QCDの前に売上(スループット)の増加がどうすれば可能かを考えることが何よりも重要なことです。

土曜日マーケティングについてふれましたが、もう少し書いてみます。
TOCは色々な分野へ応用されていますが「サプライチェーンマネジメント」という物があります。

これはメーカー、部品会社、販社などなど色々な企業が一つの製品を売るために活動している状態をチェーン(鎖)のようにつながっていると捉えて問題解決を行うという考え方です。

>>まず第一に考えなければならないのは、自社で生産された製品がサプライチェーン上で、どのようなポジションにあるかという事です。<<


TOC入門―「実践者のための」導入ノウハウ・手順村上 悟 (著)ではこのように書かれています。では地場公共中小建設業者はどのようなポジションにいるのでしょうか。


公共工事のチェーンはこのような形をしていると考えられます。

官庁は「作る立場」にいるという現状から考えると、官庁が元請のピラミッド構造が出来ている。地域用件・官製談合を考えると「官庁を頂点とした系列経営を行っている」このように考えられます。
地場建設企業は下請企業。官庁と地場建設企業の関係は元下間の関係と考えています。

これは民間建築会社などに比べて圧倒的に営業マンがすくない地場建設企業を知れば容易に理解できます。ルート営業しかいない下請部品メーカーと同じです。

これは下請だから「悪い」とか「問題」だという話ではありません。
例えばデルコンピューターの場合、顧客の注文を受けてからパソコンの組み立てますが、その部品CPU会社であるインテル社は下請という立場と同等です。マイクロソフトも同等です。
厳密に請負とは何か法的に考えると違った見方できますが、サプライチェーン上ではこういう立場になります。しかしマイクロソフトやインテルがデルより立場の弱い下請企業だとは思えません。
チェーン上のどのポジションにいるかと会社の儲けは別問題です。

「企業は顧客の立場に立って考えないと儲からない」という事がマーケティングの基礎と書きましたが、これを拡げて考えると顧客の問題解決を行うのが企業の役目と言えます。

この上で先ほどのチェーンの図をみると地場公共建設会社の顧客は官庁です。ですので顧客である官庁の抱える問題を解決するのが地場公共建設会社の役割という事になります。

「官庁の抱える問題は何か」これを考えて営業しなければならないという事になります。もしその問題を競合会社に先んじて解決することが出来れば受注することができるわけです。

そもそもどんな業界でも最終顧客がお金を払ってくれなければ、どんなに頑張ってもチェーン上の全ての企業がお金を貰えません。公共工事の場合、最終顧客は市民・国民という事になります。

第一に市民にマーケティング活動しなければならないのは、チェーンの先頭官庁です。官庁には多くの営業マンとして市会議員など議員がいます。多くの給料を払っています。市民に公共工事が売れないという責任は第一に営業マンである議員のマーケティング能力のなさにあります。

しかしチェーン上の下請企業は、その問題を認識していても最終顧客である市民に買ってくれなければ企業存続が出来なくなりますので何か行動しなければなりません。

チェーン上に今のままいると選択しているのであれば、顧客である官庁の問題「マーケティングが出来ない」を解決してあげなければ自社が存続できなくなるのです。
よって自社に「顧客の顧客」という視点を持ち込んで、何が顧客(官庁)の問題か?、顧客の顧客(市民)の問題は何か?考え、問題を一点に絞り解決策を提案しなければチェーン全体とともに沈んでいくことになります。

以上書いた事は自分で書きながら現実を見れば絵空事だなぁと思います。

以上の事は無理だと感じた経営者の方は、すぐに顧客を変更する事を考えてください。自社のコアコンピタンス工程を見つけ、新たな顧客を見つける多角化を行ってください。今までの仕事は今のまま通りでいいのなら、部下が数年やってくれるでしょう。経営者が時間を割く必要はありません。

発注量の減少は現実です。すぐ多角化を実行してください。時間のリミットは自社の資金繰状況が決めます。

もし顧客の問題解決、顧客の顧客の問題解決が出来ると考えられれば、それを始めましょう。

中小地場建設企業の決算書と、市役所、県庁等の発注計画を見れば、残された時間はあまりありません。地場中小建設業にとって国の政策の議論などを聞いていてもしかたありません。市や県の方針はもう固まっているおり予算として発表されています。

経営者はいずれの方法を取るか今すぐ選択して集中・行動してください。

参考:2002/1/17阪神大震災2002



2002-2-9 (土)

[価格営業方針変更]


土曜日ですが今日もまた価格に挑戦でございます。2/8に営業方針変更で考えることを4つあげました。

>>>
・利益なしでも儲けがあれば、受注しないよりは会社全体の損失は減少させられる
・いままでの積算方法は間違っている可能性が高いので価格計算方法を考え直す必要がある。
<<<


まずこの二つが前提になります。今までの思いこみを捨てれば、今より安い価格設定が出来そうです。その上で

>>>
・その価格設定をして今後の市場にどんな影響を与えるのか
・市場をセグメント化するって何?
<<<

この2つを考えます。ここからの考え方はマーケティングとよばれる領域になります。いわゆる販売管理ですが、このサイトの分類の販売管理に掲載しているコンテンツ数を見ていただくと数が少なく私も色々勉強しているとは言えない専門外の部分です。

マーケティングとはPコトラーの「マーケティングマネジメント」が最も有名ですが、色々な具体策の前提には「会社の都合で考えるのではなく、顧客の立場で考えなければ儲からない」という事があります。

2002-2-1 (金)[価格の計算]で、「価格はその製品の効用と価値にたいする顧客の感じ方の関数」であると書いていますが、この事はお客さんからみた値段はお客さんの価値観で決まると言うことです。

そこでお客さんの立場に立って価格を考えます。
例えば20万円のA0レーザープリンターを考えてみます。
建設会社や建設関連業では、A0プリンターが必要ですので価値があると判断するでしょう。20万円なら安いと思うのではないでしょうか?
しかし私はA0で印刷する業務はありませんので、20万円でも高いと思います。A3レーザーが7万円ぐらいだとすると、8万円ぐらいまで下がらなければ高いと思うでしょう。

このように顧客の価値観は人によって様々です。「高いので買わない」「
安いので買う」「高いと思うがしょうがないので買う」この3種類の顧客がいると考えられます。

20万円のA0レーザープリンターに対する価値観は
私のような「高いので買わない」人は8万円
「高いがしょうがない」人は18万円
「安いので買う」人は25万円


このような分布で3人のお客さんがいたとしましょう。
今の20万円という価格では、「しょうがない」「安い」と思う2人の人が買いますので売上40万円です。

しかしもし色々な価格をつけられ、8万円、18万円、25万円という価格設定で売れば3人全員が買いますので 8+18+25=51万円になりはじめより売上高が増えます。

顧客の望む価値観にあわせた価格設定が出来れば売上は増えるのです。

しかも

その価格が、外への費用より高ければ儲かります。

この理屈はおわかりになると思います。
では問題は、同じ商品に色々な価格設定などできるのかという事になります。一物一価への挑戦です。

この話は航空業界の話がよく紹介されています。日本でも航空券は、同じ航路でもいつ予約するかによって、値段が異なります。「早割」という奴です。このように顧客の行動を考えて同じ商品が違う価格で売られるというケースは色々あります。

>>マーケティングの基本理論である、拡大製品という考え方を使うんだ。つまり君の会社が売っている製品は単にプリント基板というモノではなく、品質、納期、顧客サービスといった目に見えない要素も製品の一部と考える。とくにお客さんの問題を解決してくれる要素が一番大切なんだ<<

米国製造業復活の秘密兵器 TOC革命―制約条件の理論稲垣 公夫 (著)ではこのように考え方の枠組みを書いています。

この考え方が「市場をセグメント化する」という事です。顧客をニーズ別などに分けてそれぞれの顧客層に理由をつけて色々な価格設定を行うのです。

今まで書いてきた考え方を取ると、ボトルネックの稼働率の低い工事発注の少ない4月〜8月期では、安い価格で工事をしても良いという場合が起こりそうです。

しかし暇な時なので安い見積もりをすると、その価格が波及して、ライバル会社も次の入札で安い価格で見積もってくるという事になります。
これがどんどん波及すると、どんどん値下がりしてデフレスパイラル状態に陥りそうです。今最低予定価格の公表を行っている官庁が増えていますが、入札でガチンコ会社は話し合いをせずに最低価格で入札してきます。一度はそれで受注できますが、次の入札ではライバル会社はそれを見込んで最低価格で入札してきます。結果として、最低価格に複数社の入札が行われ、くじ引きで受注者が決定されるというのが今の現状です。

この様な自体になるので、「その価格設定をして市場にどんな影響を与えるのか」常に考えて価格設定しなくては価格は決められません。外へ払う費用より安い価格で受注するしかない状態では業界は成立しなくなります。

価格は顧客の価値観によって決まります。業者の話し合いで決まるわけではありませんし、会社の原価によって決まるわけではありません。それはスループット会計を使って意志決定しても同様です。
ボトルネックの稼働率が低いので値下げをするという会社都合で価格を決めてはいけません。あくまで顧客の価値観によって決めなければならないというのが大原則です。しかも会社はボトルネックの力で最大の儲けを得なければなりません。

そこでこう考えればどうでしょう。
「理由のない値引きはしない。ただし理由があればボトルネックの稼働率に影響しないところまで値下げをしてもいい。」

この「理由」にマーケティングの拡大製品の考え方を使って、こちらから提案を行って理由をつけた値下げをするのです。

実際の公共工事入札では相当考えないと出来ないかもしれませんが、民間受注、下請受注ではなにか考えられそうです。一度考えてみてください。

2002-02-08 (金)

{価格・価格・価格}


今日は2月1日 2月3日にひきつづき価格の話に挑戦です。2002-1-22 (火)のケースで考えます。

1月22日、2月1日、2月3日のNEWS読んでいない方は誤解すると思うので読んでから以下を読んでください。

この会社は社員3人、営業マン、設計技術者、現場監督の3人だけの会社です。
・営業マンは月に3件受注できる能力をもっています。
・設計技術者は月に2件設計図書を作れます。
・現場監督は月に1件施工できます。

この会社の月にお金を儲ける能力は、3+2+1=6ではなくて
1件分以下です。会社全体の能力はボトルネックである現場監督の能力以上にはなりません。

では、この会社の価格設定はどうするべきか考えます。

例えば3件の指値での工事依頼があったとします。
1千万円、2千万円、3千万円の3種類の工事です。すぐに工事にかからないといけないので、どれか一つを選ばないといけません。

通常原価を積算して判断することになると思います。外注費、資材費と社内コストの損料計算等々を積み上げて原価を計算します。
社内コストは自社歩掛や単価を計算しておいてそれを使わないと正確ではないでしょう。更に営業マン、設計料も計算に含めて積算し利益が幾らになるか計算しないといけないでしょう。
そして価格から原価を引いて最も利益の多い物を受注すれば良いでしょう。
これが今まで会計の世界でよく言われてきた計算方法です。

しかしスループット会計ではこんなに難しく計算しても間違えるだけなので、非常に単純に考えます。外に払う費用だけを積算すればいいのです。

外に払う費用=材料費・外注費などその工事が無ければ発生しない費用
儲け= 価格 - 外に払う費用 =スループット

(単位:万円) 価格 外に払う費用 儲け
工事A 1000 500 500
工事B 2000 1000 1000
工事C 3000 1500 1500

適当に数字書いたのでおかしいかもしれませんがこうなったとします。
そしてボトルネックの作業時間を見積もります。この会社でのボトルネックは現場監督でしたので、現場監督の作業時間です。法律通り施工していれば工期と同数でしょう。

工事A20日 工事B50日 工事C 80日だったとしましょう。

この工期で儲けをわり算して一日あたりの儲けを計算します

工事A 500/20=25
工事B 1000/50=20
工事C 1500/80=18.75

こうなります。
最も儲かる工事は「工事A」です。
ボトルネックの時間あたり儲けが最大の物が最も儲かる仕事という事になりますので一日あたり25万円のAが最も儲かります。

簡単ですね。

このような計算は実は現場の中小企業叩き上げの人なら直感的に行って判断しています。

ところが原価管理を学べば最初に書いたややこしい計算になりますし、原価管理システムを導入すれば先に書いた方法で自動的に計算が行われます。さらに詳細にとABC/ABMを導入すれば更に先の計算が細かくなります。
しかしこのような標準原価計算の方法を基にして判断すると誤った判断をしてしまいます。たぶんCになるでしょう。

??と思った方は、更に詳細な解説のある「制約理論の広場」スループット会計をお読みになり自分で計算してみてください。

「ボトルネック以上にスループットは増えない」という考え方から「ボトルネックが会社の儲けの全てを握る」「ボトルネックの単位時間あたりの儲けから意志決定しなければならない」という結論が導き出されます。

これを具体的考えて計算すると上のようになるのです。書くとややこしい気しますが、やることは以前の方法よりずっと単純です。

今建設会社を経営している人ならちょっと変だなと思うかと思います。それは500万円の指値工事が完成した後、仕事くるのか?と思うからだと思います。
例の会社の場合、市場ではどんどん発注が行われており、営業マンは月3件受注する能力があるので仕事は月3件来ます。ですので以上の計算で問題ないのです。

しかし今普通の建設会社はそんな状況にはないでしょう。市場の発注自体が少ないので営業マンの能力がいくらあってもなかなか受注はできません。この状態を市場制約の状態と呼びます。

TOC入門―「実践者のための」導入ノウハウ・手順村上 悟 (著)ではこう書かれています。

>>市場制約は、改善の5ステップを実践し、リードタイム短縮や納期遵守率の向上、また生産性向上による価格政策、品質向上などの実力向上によって市場を開拓するほか、マーケティング政策を変更し、市場をセグメント化したきめ細かい価格政策、製品のリブラインドによる新市場の開拓、さらに、新製品の開発などによる受注増といった対策で解消する必要があります<<


少々わかりにくいかと思いますが、私流に書くと、
・「はやい、うまい、やすい」製品を提供する。
・営業方針を変える。
この2つの対策が考えられるという事です。もちろん何となく変われませんので具体的に「TOCを展開して」実行する事になります。

営業方針変更で考えておかないといけないことは

・利益なしでも儲けがあれば、受注しないよりは会社全体の損失は減少させられる

・いままでの積算方法は間違っている可能性が高いので価格計算方法を考え直す必要がある。

・その価格設定をして今後の市場にどんな影響を与えるのか

・市場をセグメント化するって何?

この4点。ここの所はまた今度。




2002/2/7>>

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